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Maxon SD9 [使用楽器・機材・部品紹介]

ソニックディストーションの思い出[るんるん]


Maxon SD9はスコット・ヘンダーソンやマイケル・ランドゥが使用している事で知られているペダルで、現在復刻版が出ているみたいだけど、俺が使っていたのは1980年代のオリジナル。

このペダルに関する詳しい情報はネットで検索を掛ければ山のように出てくるので、ここでは俺の歪み系ペダルの歴史みたいな事を中心にアレコレ書いてみる。
 

Maxon SD9との出会いは大阪のDEARERというバンドで、もう1人のギターの相方の元マグナム44の田中氏より「これええで」と教わった。
 
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最高の宝物だった
 
 
 
俺はそれまでMaxonのD&S IIを使っていた。
 
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何処に行くのも一緒だったので、外見は傷だらけのグシャグシャになってしまった…日本中のライブハウスで鳴らした
 
 

D&S IIとの出会いは、奈良のBRITISH STEALのもう1人のギターの相方の石田氏が使っていたので、俺も同じモノを使った。
 
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BRITISH STEALの石田氏(中央)と俺(右)…ザックリとD&S IIサウンドを出していた
 
 

D&S IIを使う以前はブースター系でアンプを歪ませ、ソロでファズという…70年代はそういうのしか選択肢が無かった。

俺はツインリード・ギターの編成時にはなるべく2本のギターを同じ音で出す事に拘るので、大抵の場合は俺が相方に合わせている。
 
BRITISH STEALでD&S IIを使って気に入った俺は、その後H.M.Nなどでメインのペダルとして使い続ける。
 
当時の俺にD&S IIはアマガエル色の宝石だった。 
 

過去、音が違ったのは初期MargeLitch時の相棒の小菅氏で、小菅氏はRATにHIWATTのCUSTOM 100の3段積み…ツアーではかさばるから2段にして欲しいんだけど小菅氏は3段に拘った。
 
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ツアー先での小菅氏(右)とKyo氏(左)
 
 

俺と真逆な音だったので、俺のギターのピックアップをDIMARZIOから小菅氏と同じSEYMOUR DUNCANに変えた…凄くマイルドになってKyo氏に小言を言われた…。
 
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小菅氏、この写真ではHIWATT2段でやってます この頃は編み上げのブーツが流行ったんだよね、小菅氏のは渋谷の公園通り「フロンティア」ので、俺のは今は無き新宿東口「田中屋」のオーダーメイド (大阪 YANTA)
 
 

アレコレと俺なりに小菅氏と違和感無い方向に手を加えている時に、脱退となったので…この時は結構厳しかった。

後は同じく初期MargeLitchでの野田氏。

野田氏は普段は黒のレスポールにピンスイッチのビンテージMarshalな人なんだけど、MargeLitchではBCリッチのモッキンバードにRIVERAというアンプだった。

RIVERAは2発入りの小さなキャビネットを2つステレオで出したりして凄くカッコ良いんだけど、50ワットで音が小さすぎて当時の爆音では聞こえなかった。

この時は、野田氏が担当していたシンセギターを、その後俺も導入する事になる。

相棒の歪みエフェクターに合わせて同じモノを使った最後がMaxon SD9で、これはDEARER~初期MargeLitchで使った。

最初にMaxonの「D&S」と「D&S II」を比較したとき、歪みのキメが細かくてモダンに聞こえた…「D&S」はディストーションというよりはファズ系の歪みで俺には古くさく感じて、「D&S II」はクリーミーなディストーションというかオーバードライブとの間みたいな感触で「新時代の歪み」って感じだった。

しかし、長年D&S IIを使ってからSD9に変えたときは更にきめ細かくて、低音が出て…とにかくダイナミックに感じた。
 
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ほんまにええでこれ。
 
 

「これぞ俺の追い求めていた音だ」という、それまで俺なりに歪みを追い求めてきて、始めて「これや!」とビン!と来たエフェクターだった。
 
またD&S IIよりノイズも少なく、歪み度数に対してのパワー感があるのでギターが上手くなった感触が得られたのも、凄くギターを弾くのが楽しくなり、創作的になれたのが一番の収穫だったと思う。

滅茶苦茶気に入って俺の宝物となり、それ以降SD9とギターはワンセットで1つのモノとなった…これも散々全国のライブハウスで鳴らした。
 
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DEARERの俺と田中氏(左端) 今は無き梅田キャンディーホールでのライブ
 
 

音のキレ、アンプとの相性、歪みの細かさ、どれを取っても最高だった…今でもアンプの歪みを足せば充分通用するんじゃないかな。

DEARER~初期MLの音源は全てSD9を使っている。
 
当時の俺の音をMargeLitchのサードデモテープから紹介。
 
ギターはDEARERから弾いているメインギターで一番初期のSQUIERのストラトで、ピックアップはリアがDIMARZIOのSuperDistortionでセンター結線せず、フロントはDIMARZIOのHS-3、どれも一番初期モデルなのでSuperDistortionは現行発売のとは音が違うらしい。
 

 
当時のMargeLitchはトリオ編成なので俺が歌ってます
 
 

もしSD9と出会わなければ…つまりDEARERで田中氏と出会わなければ、俺はまだ理想の歪みを探しているかもしれない。

今でもSD9のギターサウンドは気に入っているのだ。