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興福寺の五重塔 [日々のあれこれ]

120年ぶりの大修理




古都・奈良ののランドマークである興福寺の五重塔が大修理に入る。

興福寺の五重塔は47都道府県で唯一高層ビルのない奈良県で一番高い建物で、ライトアップは8月20日で終了。

明治時代以来の本格的な修理で、屋根の老朽化が深刻なので今後8年にわたる瓦屋根のふき替えが中心の工事となる。

これから高さ約60メートルの鉄骨造りの素屋根が塔をすっぽりと覆うので、塔は修理完了までの7年近くにわたり隠れてしまう。

五重塔といえば俺なんかは法隆寺なんだけど、高さでは京都の東寺が日本一高く、2番目が興福寺。

興福寺の方は光明皇后の発願により730年に創建、東寺の方は空海の創建から始まるが費用も人手が足らず、実際の創建は9世紀末だから興福寺より150年程後になる。

現在建っているので比べると、興福寺の方は落雷や平氏による南都焼き打ちなどで5度消失、現在の塔は室町時代の1426年に再建されたもので、東寺の五重塔も雷火や不審火で4回焼失して現在の塔は5代目で1644年のもので、興福寺の方が200年古い。

どちらの塔も苦難の歴史だけど、特に興福寺の五重塔は、明治初頭の廃仏毀釈令で興福寺が廃寺同然になり五重塔は「25円」という現在の価値にして50万~60万円で売りに出されたが採算が取れないので壊すのを諦めている。

両塔に共通するのは、どちらの塔も普段は非公開だけど時々公開されていて中に入れる事で、もちろん俺は両塔の中に入っている。


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この工事を機に、猿沢池から興福寺五重塔や南円堂を見上げた時に邪魔になる木もどうにかして欲しい。

都知事の神宮の乱開発じゃ無いので木を伐採しろとは言わないから、何処か別の場所に移植して欲しい。

東大寺や大安寺の東西2つの100メートル級の七重の塔や、現在奈良国立博物館の場所に建っていた春日大社の東西双塔の五重塔や元興寺の五重塔も復活して欲しいのだ。