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日本霊異記 [日々のあれこれ]

最古の説話集



今回は法隆寺の近くにある法起寺のお話。

法起寺の記事は既に書いているが、コロナで寺社巡りにも行けないので、過去の記事に少し付け加える感じで法起寺近くの伝説が記されている「日本霊異記」を紹介します。






「日本霊異記」は平安時代に薬師寺の僧「景戒」が書いた説話集。

主に奈良時代の話で、当時の世相を窺い知ることが出来る。

その中に「古池の伝説」という話がある。

奈良県生駒郡の斑鳩町史によれば、・・・

「むかし岡本の尼寺に12体の観音像があって聖武天皇のときに6体が盗まれ寺で八方探しましたがわかりませんでした。

ある夏の日、子供が近くの寺の小池を通りかかると、池の水面に出ている木片に一羽の鷺が止まっているのを見つけ、鷺に小石を投げましたが逃げようとしなかったので、中へ入ってつかんでみると、それは、金色をした観音像でした。

大騒ぎとなって、役人が来て調べてみると、この池の中から盗まれた6体の仏像が出てきました。

観音様が鷺に見せかけて、自分の居場所を知らせたのだというので、一層信仰を厚くした」といいます。

以来この池は、菩薩池と呼ばれています。(日本霊異記)

・・・

この話に出てくる「岡本の尼寺」とは斑鳩町岡本にある法起寺のことで、古くは岡本寺、池後寺(いけじりでら)とも呼ばれた。

聖武天皇の在位が724年- 749年なので、このお話は今から1300年近く前の出来事で、当時の法起寺には観音像が12体もある大寺だった。

俺はよく「斑鳩町は昔のままで、聖徳太子の居た頃から道幅ひとつ変わっていない」と冗談をいうが、1300年前にあった池が現在も存在するのか?を法起寺の参拝時に探しに行った事があった。

池は実在し・・・






伝説を伝える看板もあった。





1300年前の池が今だに存在するって、斑鳩町は凄いのだ。