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椅子でなければならない [写真]

俺は床に座れない[いす]

父が亡くなって1年になる。

最近、父の写真を見たが…見え方が「過去形」に変わっていて驚いた。

父が亡くなった時、父が住んでいた奈良市の家にあるものは俺が東京に戻れば全部産廃処分だったが、ゆっくり選別する時間も無く、とりあえず残したいモノを適当に段ボールの箱に詰めた。

ただ大きなモノは宅急便では送れないので段ボール行きの大半は写真で、それも箱に入る範囲で適当に選んだ…どうせ見ないと思ったし、その判断は正しかったと思う。

奈良で葬儀を済ませて東京に戻り、父の年金や保険などの残務処理が山のようにあった頃、休憩時に目に付いた写真を適当に選らんでスキャナーでスキャンしていた様だ…他人事の様に書くのも、その頃同時進行で仕事関係の資格取得試験があったので、余りにも忙しすぎて記憶が飛んでいる。

そのスキャンした写真の中に、幼少の頃の自分の写真があって、約一年ぶりにその写真を見て…忘れていた昔の家の事を色々思い出した。

俺は大阪市内で生まれ、物心が付く頃には東大阪市に祖父が建てた家に引っ越していた。

当時住んでいた家は1階に俺の家族が暮らし、2階の余った部屋を大学生の下宿として貸していた。

芸術系の学生さんが多く、家中の壁に彼らが描いた大きな油絵の額が飾られていて、俺はステレオから流れる母の大好きなショパンや、学生さんが演奏するヴァイオリンなどを聴きながら育った。

その後、俺の家族は祖父が建てた奈良の家に引っ越す事になる…たった1枚の写真で、そういう色んな事を想い出した。


そして今回の本題。

俺は、椅子がないと床に座れない。

だから、正座する事が多い和式の葬式とか、居酒屋の座敷とかがダメ…数分で足がこむら返りになってのたうち回る。

だから、床に座っても数分でゴロンと横に転がってしまう。

そのことを親友のKに話すと、笑いながら「岡本太郎と一緒だ」と言った…最初は何の事か判らなかったが、ネットで岡本太郎先生の写真を見て判った。

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先生も、座敷で呑むとこうなってしまうらしいが、俺も同じだ。

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俺は物心ついた頃から床に座った事が無い…俺専用の小さな椅子があった。

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写真は凄いね…忘れていた記憶が蘇るのだ。