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南禅寺 [寺社・城・仏像・ミュージアム]

寺社・仏閣探訪ツアー2018 Vol.06[カメラ]


南禅寺を目指して、京都地下鉄東西線の琵琶湖浜大津行きに乗る。

京都の地下鉄の駅に滋賀県の浜大津なんて無かったぞと思うと、京阪京津線が乗り入れていた。

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蹴上駅で下車。

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煉瓦作りの駅を出て南禅寺を目指す。

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南禅寺のある京都市左京区には毎時時代に琵琶湖の水を京都市に流す琵琶湖疏水という水路が作られていて、その水路には船も行き来していた。

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しかし、高さが違う所は船が運航できないので、台車に船を載せて上下させる傾斜鉄道運行していた…これをインクラインと呼ぶんだけど、それが蹴上~南禅寺辺りまである。

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明治時代といえばまだザンギリ頭で江戸時代の延長みたいな感覚だったけど、実際には船を乗せた台車を蹴上発電所で発電した電気を使ってモーターで巻き上げるなどの高度な技術が使われていて、そういう産業遺産を壊さずに保存しているのにも驚いた。

そのインクラインの下に、「ねじりまんぽ」という強度を高めるために煉瓦をねじったように斜めに積んであるトンネルがある。

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トンネルに入ると、確かに煉瓦がねじれている。

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トンネルをくぐって南禅寺方向に歩く…。

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南禅寺の別院、金地院などが見えてくる。

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東照宮があった。

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東照宮は明治時代の廃仏毀釈で減ったものの今も約130社あるとされているが、本宮である日光東照宮、家康の遺言で遺体を祀る静岡の久能山東照宮と、同じく家康の遺言で遺髪及び持念佛を祀っている南禅寺の金地院東照宮が「日本三大東照宮」とされているらしい。

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金地院の書院の襖絵は有名な猿猴捉月図。

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猿猴捉月とは欲をおこして前後をわきまえず、無謀な行動をとって大失敗することで、水面の月を捕らえようとする猿が描かれている…俺は絵はわからないが、この絵は好き。

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金地院を通り過ぎると、いよいよ南禅寺の駐車場に出た。

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詳しい事は知らないが、南禅寺は日本の禅寺の中で最高の格式の寺。

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中門をくぐる。

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巨大な三門が見えてくる。

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三門は高さ22メートル。

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歌舞伎で石川五右衛門が「絶景かな!絶景かな!」という名科白を廻すモデルとなっている。

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ただ禅寺なので、庭などは立派だけど見仏的には特筆すべき仏像は無い。

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この寺は、俺が見仏をやる様になる前は典型的な京都を代表するイメージだった。

大阪人の俺は京都の人の言葉と裏腹な「本音と建て前」を馬鹿にしていた…「ゆっくりしていっておくれやす」と言えば「さっさと帰れ!」って事で、そういうのを苦手にしていた。

今でも京都の観光スポットで、値段の書かれていない店に入る勇気は無い。

食い道楽の大阪人からすれば、大して美味くもないモノを食べただけでボッタクリに遭うと思ってしまう。

油断して値段の書かれていない店に入れば「なんでこんなのがそんなに高いの?」と慌てても「へえ、うっとこから清水はんが見えおすさかいに」なんて言われてしまうだろうと思ってしまう。

今は廃止になったらしいが、以前は南禅寺では湯豆腐を食べることが出来た。

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南禅寺の横に湯豆腐の店があった。

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その前に行ってみたが…やはり店の外からではメニューも値段も判らない。

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丁度店の奥から老夫婦が出てきて精算をしたんだけど「7千幾らです」という店員の声が聞えた…まさに京都!という値段だ。

豆腐に幾ら「総本家」とかの格式を貼り付けても、豆腐は豆腐でしかない…幾らバストが90センチあっても、マウンテンゴリラのメスはマウンテンゴリラでしかないのと同じだ。

以前の俺は京都の格式の寺と言っても、奈良の寺からすれば新参者で「江戸時代(1628年)に作られた南禅寺の三門なんて法隆寺の東大門(607年)から比べれば千年以上新しい」と馬鹿にしていたが、最近は少しずつ京都の良さも判るようになってきた。

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観光では寺社仏閣以外は桜や紅葉などの景色位しかないけど、見仏旅行では奈良の次は京都だと思う。

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仏教がシルクロードをつたって入っていた当初のままを奇跡的に残している奈良の寺も凄いが、そういう外国から伝わったものを、時間を掛けて日本ナイズさせたのが京都の文化だと思う。

奈良の仏像が世界的な遺産なら、京都の寺社仏閣は日本人の琴線に触れるモノなんだと思う。

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年をとるにつれ、京都の良さが判って来るんだろう…だから俺もいずれは馬鹿高い南禅寺の湯豆腐を食べたくなるのかもしれない。

襖絵や庭の渋さと琵琶湖の綺麗な水…南禅寺は京都のアイコンなのだ。