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闘将逝く [阪神タイガース]

日本野球界の宝[もうやだ~(悲しい顔)]
元阪神タイガースの星野仙一監督が亡くなられた。

心から哀悼の意を表します。


星野さんは、「野球界の底辺を広げたい」と野球に情熱を燃やしていたが…病には勝てなかった。

超高齢化社会の日本なのに早すぎる…もう一度阪神に戻ってきてほしかったのに、残念としか言いようがないが、島野さんが迎えに来ていると思う。


寂しくなる…。

俺は星野監督の大ファンだった…阪神ファンである星野さんが中日の監督だった時から、機会があれば是非阪神の監督になって欲しいと願っていた。

そして4年連続最下位だった2002年、星野さんが阪神の監督になった…俺はそのニュースを当時の職場で同僚から聞き、その場で「これで優勝する」と笑った事を覚えている。

「勝ちたいんや」の精神で、燃える男に皆が付いていった…田淵、達川など監督経験者達が阪神星野政権の下ではコーチだった。

そして03年、熱狂の渦の中、栄光のリーグ優勝を決めた。

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星野阪神がファンの熱気で化学反応を起し、別の生き物になって…煮えたぎったエネルギの塊が走り抜けた1年だった。

皆が試合に引き込まれ、皆で一喜一憂した…その中心に「言うことは言うが、結果を残す男の中の男」星野監督がいた。

しかし、阪神ファンはその激し過ぎた輝きの残像に、その後長く苦しむ事になる。

先陣を切って敵陣に斬り込む星野監督から、街の居酒屋でボヤいてる阪神ファンのおっちゃんみたいなどんでんに替って、凛と輝く栄光のベンチが気怠く陰気に萎んでしまった。

どんでんも損なクジを引いたと思う…前任が余りにも偉大過ぎた。

余りにも星野時代が激しかったので、祭りの後の静けさは身に染みた…どんでん以降もゴルフしか頭にない真弓、不倫メールの和田と星野イズムとは無縁な無味無臭の時代が延々と続いた。

つまり星野阪神とは、長い阪神タイガースの歴史の中で起きた一瞬の奇跡だったんだと思う。



俺は星野さんから、野球では監督の才能が如何に重要かという側面と、天才によってもたらされる恩恵は根付かない残酷さを学んだ。

そういう意味では、今の金本監督が行なっている「チームの自力の底上げ」の方が、天才による真似の出来ない戦略より地味ではあるが長期的には阪神を強くすると思う。


星野監督の様な名将は希有な存在…だからこそ星野阪神の快進撃は貴重だった!

「ネバーネバーネバーサレンダー」で始まった03年の春のキャンプ~オープン戦、そしてペナント開幕から優勝時の「あ~しんどかった」までの1年を見ておいて良かった!脳裏に焼き付けておいて良かった!

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俺は、02~03年の試合は最初から「星野監督期間限定で見られる夢」なんだと思って特別の思いで応援していた。

今思えば、真弓や和田の時にもう一度阪神の監督をやって欲しかったが、何故か楽天に行ってしまった…阪神のフロント共は何をしていたのかと思うとやりきれない。

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プロ野球で3球団を優勝に導いたのは三原脩、西本幸雄、星野仙一の3人しかいない…星野仙一は監督としては超一流。

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しかし選手としては一流とは言えなかったと思う…だから監督になっても他の監督とは違うスタイルに見えた。

選手が引退して監督になると、自分が現役時代に培ったノウハウや哲学をチームに持ち込むが、星野監督はそれをコーチに一任していた。

だから「チーム星野」のコーチ陣は錚々たる顔ぶれで、星野監督はチームが勝つ道を整えるGM的役割を担っていた…何もかもが並の監督とスケールが違った。

時代も良かったと思う…コンプライアンスやパワハラがSNS上で大問題にされる現在では、星野流の暴力的な鉄拳制裁は相撲じゃないけど警察沙汰になったかもしれない。

今も星野さん全盛の中日時代を知っている人は恐れている。

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激しい側面だけが目立つが、優しい人でもあった…原監督の引退セレモニーは冷酷・無慈悲な塵売では無く、星野さんの鶴の一声で甲子園で行なわれた。

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ま、我慢の効かない金本監督と違って、優しい星野監督なら藤浪が何敗しても使い続けただろう…ただ、顔面が原形をとどめない程殴られたと思う。



星野さんは居なくなってしまったが、教え子が監督として戻っている…金本監督だ。

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金本監督も星野さんの前では直立不動だった。

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星野さんは常に金本監督を応援していた…。

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この恩は勝って弔うしか無いんじゃないかな。

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金本監督も矢野二軍監督も星野イズムを継承というか「気力」を大事にする…こうなってしまったからには今年1年ベンチに星野さんの遺影を置く位の気構えで戦って欲しい!!


星野さん、さようなら…夢を有り難う!!

金本監督は今年日本一にならなければ男じゃないのだ。