SSブログ

今年の見仏を振り返る [日々のあれこれ]

今年見た仏像ランキング[ぴかぴか(新しい)]
今年は見仏が充実していた。

12..26.01.jpg


見仏を始めて、これまでで一番沢山仏像を見た年だったと思う。

特に今年は博物館で仏像の特別展が充実していたと思う。

奈良国博の「快慶展」とトーハクの「運慶展」が同じ年に開催されたのも凄かったし、東京の三井記念美術館で行なわれた「西大寺展」や、室生寺の国宝物を見ることが出来た「なら仏像館」も凄く良かった。

お寺も結構沢山廻り、充実した年だった。

今年は例年より沢山の仏像を見たので、今年見た仏像と寺社・仏閣のランキングと感想で振り返ってみる。



建物のベスト3は、

3位は奈良・興福寺の仮講堂

「天平乾漆群像展」で初めて入った興福寺の仮講堂は、工事中の国宝館に安置されている仏像が集められ圧巻だった。

国宝館なら同じ仏像をもっと間近に見れると言えばそれまでなんだけど、東寺の立体曼荼羅ではないが阿修羅像などの人気仏像が同じフロアに集まるのは俺が生きている間には二度と無いと思うので、珍しいものを見たという意味では価値があると思う。

いずれにせよ、仮講堂に入るのは二度と無い珍しい体験だった。



2位は日光・東照宮

東照宮は問答無用の豪華絢爛のギンギラギンで、ただただ驚くばかりで文句の付けようが無かった。

ただ、どこも新品の様に綺麗で枯れたビンテージ感が無いので、輪王寺と一緒に一度にドーンと見せられるとおなか一杯になって、途中から流し見してしまったのが勿体なかった。

東照宮界隈の見仏は体力勝負だと思い知った。



1位は奈良・談山神社

恥ずかしながら最近まで談山神社の事を知らなかったが、ネットで十三重塔の写真を見て即行こうと決めた。

時期も暑くも寒くも無い時期で、紅葉も良く最高だった。

倭国から日本国建国への転換期の舞台となった歴史背景も、非常に興味深かった。



次に仏像、こちらはベスト10。

10位は「西大寺展」の吉祥天立像。

みうらじゅん一押しの京都・浄瑠璃寺の秘仏。

秘仏だけあって状態が凄く良くて、照明の中で目の前で堪能できた。




9位は京都・六波羅蜜寺の空也上人立像。

六波羅蜜寺はずっと生きたかったが、見仏的には奈良を優先していたので今年になってやっと行けた。

館内が空いていて貸し切り状態だったので、ゆったり堪能できたのも良かった。



8位は奈良・飛鳥寺の飛鳥大仏。

五木寛之絶賛の仏像だけど、良かった。

カメラ撮影もOKで、何度もシャッターを押した…隣にある聖徳太子像も良かった。

やはり止利仏師だなと、思わず声が出た。



7位は京都・三十三間堂の風神。

堂内は湛慶の千手観音も圧巻だったけど、俺は風神が見たかった。

雷神も良かった…何時間でも見ていたいと思った。



6位は奈良・興福寺「仮講堂・天平乾漆群像展」&トーハク「運慶展」の天燈鬼・龍燈鬼。

俺の大好きな邪鬼で、今年は奈良と東京の両方で見た。

トーハクでは、興福寺公認の龍燈鬼フィギアもゲット、今年は我が家に龍燈鬼がやってきた記念すべき年だった。



5位は京都・三千院のわらべ地蔵。

三千院はずっと行きたいお寺だったが、交通の便を考えると尻込みしていた。

俺が見仏旅行で愛用しているカメラは、わらべ地蔵を撮影するために買った。

ガラガラに空いている三千院をノンビリ堪能できた。



4位は奈良・文殊院の渡海文殊。

奈良国博の「快慶展」にも来ていたらしいが、展示の時期が合わず見れなかった。

俺が行った時は大きなパネルだけで、その代わりに文殊院の割引券が付いていた。

快慶の文殊菩薩は堂々と力強く繊細で、善財童子も良かった。



3位は奈良・興福寺北円堂の弥勒如来。

長年憧れていた北円堂に入って…とにかく驚いたのが運慶晩年の作の弥勒如来。

「運慶展」で絶賛された脇侍的存在の無著・世親像が霞んで見えた程凄かった。

南円堂の康慶の不空羂索観音坐像と共に、慶派仏像の最高傑作だと思う。




2位は奈良・円成寺&トーハク「運慶展」の大日如来。

普段は円成寺多宝塔のガラスで見えにくいのが、トーハクでは背後にまで回れて最高だった…同じ年に2度も見れたのも良かった。

康慶の地蔵菩薩と同じだったり、処女作ならではの未熟さなど…色々評価があるんだろうけど、そういうゴタク抜きで俺は好き。

俺の中にある仏像の理想型で、俺には究極の完璧に見える。




1位は…奈良・聖林寺の十一面観音。

俺が見仏を始める切っ掛けは薬師寺・東院堂の聖観音だけど、その時と変わらない衝撃を受けた。

俺は俺なりに、これまでの見仏で結構良い仏像を見てきたと思っているので、もう最初の薬師寺の時の感動は得られないんじゃないか?と思っていたが、違った。

観音堂の中で「感動とはこのことを言うんだな」と冷静に思った。

また、今年の5月に興福寺北円堂で弥勒如来を見て「これ以上の仏像はあるのか?」と、俺の見仏の終焉が見えた気がしたが、聖林寺の十一面観音を見て仏像の奥深さに改めて驚き、俺の見仏の探求心を再燃させてくれた。


…と、順位を付けてみたが、どれも甲乙付けがたい素晴らしいものばかりだったと思う。

来年も見仏で飛び回ろうと思うのだ。