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2016 日本シリーズ [スポーツ観戦]

広島 - 日本ハム[野球]


日本ハムが日本一を獲得した。

おめでとう!凄かった!

最初の2戦だけは、広島が強いと言うより日ハムのエンジンが掛からない風に見えた。

日ハムは普段当たり前になっているDHが使えないので、日程的には中3日しか札幌で戦えないので不利だと思った。

しかし、札幌に戻った日ハムは、本来の日ハムに戻っていた…これはソフバンが弱かったのでは無く、日ハムが強すぎたんだと思った。 

しかし、どの試合も点差ほど試合内容は開いていなかった。

確かにパリーグの球団は強いが、広島もペナントでは2位の巨人を17.5ゲーム引き離して優勝している。

本来なら夏場に一方的に離しても、秋口には疲れが出て連敗が続き、気がつくと真後ろまで追いつかれる…大きく引き離したといえば03年の星野阪神が凄かったけど、優勝前は大連敗が続いた。

だから、点差ほど両チームの力に差はなかった。

日ハムは地元札幌で見事3連勝で逆転、日本一に王手を掛けて広島に戻った…これは次戦はもの凄い試合になりそうだと唸った。


結果的に最後の試合となった第6戦は、両チーム文字通りの総力戦となった。

アメリカはボルチモアにあるオリオール・パーク・アット・カムデン・ヤーズに似たいびつな形のMazda Zoom-Zoom スタジアム広島は、カープファンで立錐の余地もない程に真っ赤に埋まった。

日ハムファンは、いびつな外野スタンドに追い込まれ、球場全体はまるで秋の紅葉みたいだった。

広島が勝てば最終戦で黒田、同じく日ハムは大谷を残していた。

試合内容は、広島より日ハムが短期決戦的な野球をやっているように見えたが、ほぼ互角だったと思う。

ボクシングでも、他団体のチャンピオン同士が統一戦をやるときなどは盛り上がるが、そういう強豪同士の試合ほど意外に噛み合わずに一方的な内容だったりするんだけど、今回の日本シリーズは両チーム、リング中央で足を止めての壮絶な撃ち合いだった。

今年1年、阪神タイガースを見続けてきた俺にはハッキリ解ったけど、このシリーズに仮に阪神が出場出来ても、対戦チームが広島でも日ハムでも1勝も出来なかっただろうね…。

もう11月前だというのに、両チームの打者のバットは振れまくっていたし、投手の球も走りまくっていた。

ペナントレースの試合とはまた別物だった…つまり、阪神はこの次元の試合をまだ経験していない。

このレベルの試合をペナントでやったのでは選手が持たない以前に、お客さんが持たない。

1球1球に集中し、1つのプレイに球場全体がどよめいた…こんな試合も珍しい。

そうなってくると、厄介なのが「試合のレベルについて行けない審判」で、特に球審のストライクゾーンが怪しく、広島のエルドレッドがマートンみたいなノイローゼになってしまったのが残念。

勝負を決したポイントは、俺の目では広島石原捕手に代打を送ったのを見て日ハムが勝つと思った。

栗山監督が前半から積極的に動いたのに応える形で、緒方監督は日シリ全戦で先発していた石原に代打を送り、會澤に変えた…これが命取りになったと思った。

緒方監督が慌てなくても、6回には日ハムも飛び出した3塁ランナーを殺せずアホ松が生還して同点に追いつくなど、流れは広島だった。
 
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ランナーに気を取られて集中できずにコントロールを乱すジャクソンに、會澤は一呼吸つかせる事すら出来なかった。

これを察知した栗山監督は、満塁で中田翔がボックスに立つとネクストに大谷を立たせてプレッシャーを掛けて押しだしを誘い、メロメロになったバッテリーに向かって栗山監督は大谷で無く投手のバースを打席に向かわせた…このショックは大きかったと思う。
 
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栗山采配に翻弄された広島バッテリーは投手のバースにセンター前タイムリーを打たれ、レアードにとどめを刺された。 
 
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拮抗していた試合の緊張が一気に崩れた…6得点というビッグイニングだった!
 
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野球は怖いが、広島の若い主力選手達がこの苦い水を飲んだ経験は大きい!

こういう限界を超えた次元で戦う経験はお金では買えない財産だ…暖かい四国の安芸辺りでウエイトトレーニングや素振りなんか幾らやっても絶対に得られない、ボール半分のやりとりが日本一を左右する限界を超えた勝負だった。

栗山監督が経験で緒方監督より一枚上手だったと思う…監督暦5年で、Aクラス4回、リーグ優勝2回、日本一1回は凄すぎる!
 
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終始羨ましい気持ちで観ていたが…阪神は今年のような試合をしていたんじゃ、いつまで経ってもダメだなと確信した。

俺が今年1年見てきた阪神のダラシナイ試合とは何もかもが別格過ぎて比較出来ない!

気がついた阪神ファンも多かったと思うが、日ハムも広島も、阪神のガリガリの選手達と比べて1回り身体が大きかった…そこからして、同じプロ野球選手でも全然違う。

日本シリーズといえば、1978年の広岡ヤクルトと上田阪急も面白かったけど、ここまで楽しめた日本シリーズは無かった。

そして、激闘が終わった…。

俺たち阪神ファンの今年なんて夏前にとっくに終わっているけど、両チームのファン、特にカープファンの「祭りの後」の喪失感は凄そうだ。

奈落の底から上を見上げるしかない阪神ファンには、両チームの選手全員が勝者なのだ。