IBF世界ミニマム級タイトルマッチ 高山勝成 vs 小野心

壮絶な逆転劇

チャンピオン高山は、明らかに小野のパンチに反応出来ていなかった。
前半～中盤はパンチの出所や独特のリズムで、パンチをまともに受けていた。

問題はここからで、高山は小野のパンチをどう攻略するか？では無く、攻撃こそ最大の防御的戦略に打って出た。

WBA・WBCのチャンピオンでありながらジムを渡り歩き、2009年からはJBCの傘下選手でなくなり主戦場を海外に移し、見事敵地で3-0の判定勝ちを収めIBF世界ミニマム級王座を獲得し、日本人で始めてWBA・WBC・IBFの3団体で世界戴冠という偉業を達成する。

その一瞬でも隙を見せれば食い破るという海外でのキビシイ経験の差が、試合で出たんだと思う。

逆に言えば、小野は勝てていた試合を自らの油断で落としてしまった。
それと、ナチュラルウエイトの高山に対し、1クラス下の階級に挑戦した小野にはコンディションを作るのに無理があったのかも。

ラスト２ラウンドの、高山の骨を切らせて肉を断つという戦法は、迫力に満ちていて試合を盛り上げた。

両選手の頑張りに拍手の、素晴らしい試合だった！

IBF世界フライ級タイトルマッチ　アムナト・ルエンロン vs 井岡一翔

マッチメークが亀田家とダブる胡散臭い井岡家の試合。

井岡はテレビマネーと政治力を使って強敵ロマゴンから逃走、WBAライトフライ級を返上して、このIBFフライ級に勝ったら即返上、スーパーフライ級獲得を目指して4階級制覇だ！と、亀田家のコピー丸出し。


もう日本人の何階級制覇とかは、耳にするだけでアレルギー反応が出るわ！！


という事で、俺は全力でアムナト・チャンピオンを全力で応援。

試合は、音声に邪魔なノイズがかぶるなと良く聞くと、ボクシング通で有名な香川照之のウンチク雄叫びだった。
実況ソッチノケで香川が喋りっぱなし…時々内藤さんがドモって、アナが遮ってやっと鬼塚が何かいうという展開が最後まで続いた。

試合は、タイミングを外されパンチが出ない井岡に、アムナトのアッパーが炸裂、出鼻を挫かれた井岡は最後までリズムを作れなかった。

驚いたのは判定の採点で、井岡に勝ちを付けたジャッジがいたことで、結果は２ｰ１でアムナトの勝利だった。
俺の採点で井岡に振れるのは2ラウンド位で、後は一方的なアムナトのラウンドだった。

井岡のボクシングより、一方的に井岡ワッショイの解説陣営が鬱陶しく、最悪のボクシング中継だった。

アムナトの勝利を見て「正義が勝った！」と画面に向かって拍手したが…振り返れば内容はショボイ試合だった。

拳1つ分の出入りで井岡のパンチを捌く絶妙テクニックのアムナトに対し、最後はただ見るだけの金縛りで前に出て被弾するだけの井岡は、とてもじゃ無いけど３階級制覇するような選手では無い。

一言で言えばアムナトは井岡なんかとはモノが違ったって感じかな。

とにかく、今回のダブルタイトルマッチは、高山チャンピオンの気迫が素晴らしかったのだ。