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野球はリズム [日々のあれこれ]

脱力[野球]

通勤途中の電車で、隣に坊主頭の高校生が大きなビニール製の鞄と一緒に座った…朝練の野球部だ。

坊主頭は、座った途端にイヤフォンをして音楽を聴いているんだけど、俺は良いことだと思った。

野球も、リズム感だと思う。

野球と音楽は、専門的になればなるほど遠い位置に行くと思うが、リズム感の話に絞れば遠近は関係なくなる。

話を野球の打撃に絞ると、俺なんかの素人でも良く耳にするのはフォームとか、構えたバットを振り始める位置とかだと思うが、それ以前に「野球界」は重要な事をクリアしていない気がする。

俺は打撃で最高に大切なのはリズム感だと思っている。

例えばスイングスピードはプロ野球選手の中でも上位の新井良太が一軍に定着しないのは、リズム感が悪いからだと思う…因みにお兄さんはリズム感があると思う。

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リズムを悪くしている原因は「力み」だと思う…バッターボックスで構えているときから、既にガチガチに硬い。

新井と同じ症状なのが、やはり二軍定着の江越で、2人ともバッターボックスで力んでいる。

これと同じ症状なのが、アマチュアのドラマーに多い…大きな音を出そうと力で叩こうとして力んでいて、リズムが悪い。

上手いドラマーはスティックを2本の指で挟んでいるだけなのに、ショット時のフォームが良いので凄い音が出る。

身体全体に力みがないので、上手いドラマーはスティックを持って踊っている様に見える…しなやかさが鍵だと思う。

これを野球選手に当てはめると、イチローがその典型だと思う…体つきからして柔らかく、野球選手と言うよりはバレリーナみたいにしなやかだ。

確かに聖地甲子園の浜風に押し負けないでスタンドに放り込むには凄まじい筋力が必要なんだと思うが、それを狙って身体をガチガチに硬くした結果が二軍暮らしでは意味が無い。

選手名は忘れたが、手の怪我だったと思うがバットを強く握れなくなった選手が、バットを緩く持ってヒットを量産していた…バットの握りを弱くしたことで力みが消えたんだと思う。

恐らく弱く握って構え、ミート時にシッカリ握っているんだと思う。

つまり力みが消えると、リズム感が出てくるんだと思う。

上手い投手はその事を知っているのでボールが指を離れる所をバッターから見えないフォームで投げたり、緩急を付けたり、クイックで投げたり…つまり、バッターのリズムを乱している。

どうやればリズムを鍛えられるのか?は専門家で無いので判らないが、まずリズムを意識することだと思う。

最初は音楽を聴くときに、いち、に~、さん、し~、と数えながら自分の身体でリズムを意識して合わせる。

リズムの精度を上げるには、より細かい音符でリズムを取る四分音符から八分音符、十六分音符と音符の長さを細かくしていく。

楽器の世界では、クリックに合わせるのが一般的で「クリックより少し前」とか「少し後ろノリ」とかは邪道で、クリックにジャストなのが正義で、打点を全く同じにしてクリック音が消えるのが理想。

スポーツ全般に黒人選手が活躍するのは、手足が長いなどの身体能力が有利な事に加え、彼らはリズム感が抜群なんだと思う。

ハードパンチャーというイメージのあるマイク・タイソンも、実際は複雑なコンビネーションの組み立てで倒していた…一発を狙って力んでいたのでは、あのスピードの連打は出せない。


…隣に座った野球部に、ボーッと聞き流さないでリズムを取りながら聴けと言いたかったのだ。