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ワイト島 ロック・フェスティバル [アナログメディアのデジタル化計画]

記録映像[TV]


最近はロックフェスティバルなどがブームで、色んなバンドが入れ替わって出てくるスタイルで人気がある。

俺は、どちらかといえばそういう雑多なのは嫌いで、興味のないバンドは時間と体力の無駄なので観たいのだけを観たい派。

どうでも良いバンドなんて金を貰っても見たくないんだけど、迷惑なのが次々と出てくると疲れちゃって目当てのバンドが何をやったかもよく覚えていなかったりする…人間の集中力なんて長く続かないから全てが曖昧になる。

そういうイベントの場に自分が出演した事もあるけど、限られたタイムテーブルでセッティングから全部やらなければならないのでぶっつけ本番的要素が高く、納得のいく音作りなんて出来る訳がないので、機材もトラブルを恐れて音が出れば良いって方向だった。

これはライブハウスの対バンのライブ時も同じで、時間を掛けてリハーサルが出来るワンマンライブなら身長より高い機材を積み上げていたけど、対バンになると足下は乾電池で動かすBOSSのME-25のみだった。

そういう自分の経験もあって、ロック・フェスティバルには興味が無かった。

しかし歴史に残るライブとなると、語り継がれるのは単独公演よりウッドストックに代表されるロックフェスティバルが多い。
 
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最近流行っている、単独では客を呼べないバンドが抱き合わせでやるのでは無く、1970年頃はロックの歴史を作った様なバンド達が沢山集って、何十万人もの観客が熱狂した驚異的なイベントがあった。

そういうビッグイベントになると、現場に行って歴史を共有するのも有意義だけど、現実は…別にロックコンサートに限らず、入間基地の航空祭も同じだけど、トイレの前に長蛇の列だとか、色々不便な事が目白押しで厳しい。

そういうレジェンドなイベントは、自宅で観たいときにジックリ観るに限る。

現在、VHSビデオデッキの製造中止により、膨大なビデオテープをデジタル化しているんだけど、俺はロックフェス的なモノは嫌いなので持っていないと思っていたんだけど、押し入れの大半を占拠している段ボールの箱の奥底から色々出てきた。

すっかり忘れていたが「押さえるモノは押さえていたんだな」と、過去の自分に感心している。

段ボール箱の奥底から、ジミー・ヘンドリックスが亡くなる少し前、1970年にイギリスの島ワイト島で行なわれた幻のロックフェスティバル「Message to love」というのが出てきたので紹介する。
 
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驚いたのは番組を紹介するピーター・バラカンさんが、今と余り変わらない事。
 
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ドキュメンタリータッチで、当時の会場の様子やイベントを企画した裏方達が次々と出てくるのも異色で、当時の若者のファッションや風俗みたいなのが良く判る記録フイルム的色合いが濃い。

出演したバンドでは、ジミー・ヘンドリックスを筆頭に、ハードロックの初期を作ったレジェンドなバンド達が出ている。
 
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The Whoはピート・タウンゼントがカッコ良い!
 
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驚いたのはキース・ムーンのドラムセットで、本来ハイハットスタンドがある位置に、音を聞くとクラッシュシンバルだと思うけど、トップシンバルかもしれないが、とにかくハットを刻まないで、シンバルをハット代わりにバシバシ叩いている…これは当時とすれば相当「ヤカマシイ」ドラムだったと思う…パワフルというよりヤカマシイ感じ。
 

Freeも出演していた。
 
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Freeは、時代が逆だけどポール・ロジャースがホームレス風の汚い感じなのが時代を感じさせる。
 
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当時髭もじゃな汚いのがマッチョなイメージだったのかも、第4期のパープルのデイヴィッド・カヴァデールもそんな感じだった。
 
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クラプトンの外見も若い頃とそれ以降では激変したけど…この時のポール・ロジャースも、その後すっかり垢抜けて朗々とクィーンを歌い上げるおじさんのイメージは無い。 
 
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今はモルダー捜査官みたいに変貌してしまった。
 
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とにかくポール・ロジャースが出演者のボーカリストの中では別格って感じで上手いけど、俺がこの映像を見た当時はそういう落ち着いた渋めの歌より派手なのが好きだったので、今改めてポールの良さを噛みしめている。
 
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良いねFreeは!ポール・コゾフも凄くカッコ良い。
 
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今も世界中で大規模なロック・イベントは多々あるけど、歴史に残る規模となると、他のジャンルなら判らないけど、ロックではもう起きないと思う。

ワイト島のあり得ない数の観客達を見ていると、1960~70年代がロックの全盛期だったんだと良く判る。

ロックの持つ意味合いが、それまでの音楽の破壊みたいな斬新なモノだったので、それが古くなるとお役ご免だと思う。

そういう意味では、昔のフェスティバルものの映像は、ロックの歴史としては貴重だと思うのだ。