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日本シリーズの思い出 [ノスタルジア]

友情の切っ掛け[野球]


今年もプロ野球の日本シリーズの時期になった。
もちろんヤクルトとつば九郎を応援するが…ドラフト会議時の真中監督の失態を見て、こんな事やるようなのが監督じゃダメだなと思った。

スポーツ紙の一面は相変わらず巨人ヨシノブ新監督と阪神金本新監督の話題ばかりで、来年の開幕までのオフ期間中もスポーツ紙は話題が豊富だろうね。
 
 
今年の日シリは阪神には無関係な話なんだけど…俺は、何故か日本シリーズと聞くと学生の頃のある記憶が蘇る。

その年の日本シリーズは、記憶が曖昧だけど…たしかヤクルトと阪急だったと思う。

古い話だから記憶がゴチャゴチャになっていて、俺の脳内で間違った事が事実として認識してしまっている可能性もあるが、その時の日シリは…もう秋を通り越して冬の様に寒かった。

今の記憶にある「ヤクルトVS阪急」で話を進めると、3勝3敗で互いに譲らずに、最終戦で阪急の上田監督が誤審への抗議で、選手を全員ベンチに下げさせて、もの凄く長い中断となった。

今のレギュレーションと違って、当時は幾ら長く試合を中断させても退場にならない時代だったので、その時の上田監督の猛抗議は恐らく1時間程中断していたと思う。

ヤクルトの主催ゲームだったんだけど、何故か神宮では無く後楽園球場だった気がする…もちろんカラクリ(東京ドーム)はまだ無い時代。

中断中に、実況アナか、ベンチレポーターが「寒いのでヤクルトの角選手が炭を持ってきました」みたいな事を言った。

次の日、俺は学校の教室で友人達の前でその事を話すと、その中にいたFという奴が笑いながら、しかし目は鋭く俺をにらみつけて真っ正面から「その話は嘘だ!」と言い出した。

その時のFは友人というよりは、「学校限定の顔見知り」というよくある間柄で、特に親しくしていたわけではないが…俺の話が余りにも出来すぎていると思ったんだろう、俺に「その話は嘘だ」と突っかかってきた。

俺を取り囲んで和んでいた連中も、それを切っ掛けに俺を嘘つき野郎だと決めつけた目つきになり、散っていった…。

この手の攻撃はタチが悪い…相手は俺を嘘つき呼ばわりするだけで裏付け無しに攻撃出来るが、俺は自分の無実を証拠を持って証明しなければ嘘つきの汚名を晴らせない。

しかし、幸運だったのは、当時の俺はセ・リーグは阪神、パ・リーグは阪急のファンで、その実況をカセットテープで録音していた…確か上田監督が抗議しだした頃から「これは大変なことになったぞ!」と、ラジカセでラジオの中継を120分テープに録音し、消さずに保存していた…当時は新しいテープを買うお金がないので頻繁に上書き録音をしていたが、その実況部分は無事だった。

俺は教室でFに「本当だ」と何度も言ったが、Fは頑固に頑張ったので「録音したテープを持ってくる」というと、Fはそんなものがあるはず無いという顔つきで「持って来い」と自信満々に答えた。
 
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ネットにあったカセットテープの写真…懐かしい! 
 
 
翌日、その証拠テープを持って行きFに渡した。
Fは俺がテープに録音したという話も嘘だと思っていたらしく、まさか俺がテープを持ってくるとは思わなかったのだろう…受け取るときは既にバツが悪そうだった。

Fがテープを返しに来た時「本当だったろ?」と聞くとFは一言「うん」と答えた…それからのFの俺に対する態度は180度ガラッと変わり、凄く親しくなった。

恐らく、俺はテープを持って行くことでFと信頼を築くことに成功したんだと思うが、もしあの時「録音していなければ」と考えるとゾッとする。

変な切っ掛けで芽生える友情もあるのだ。