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河野公平 VS 亀田興毅 [ボクシング]

WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ[パンチ]


俺はプロボクシングが大好きで、子供の頃から国内世界戦はもちろん、テレビ東京系列でやっていたジョー小泉さん解説の海外の世界戦も見ていて、WOWOWエキサイトマッチは開局のアナログ衛星波時代からパラボラアンテナを立てて見ていた…最初は高柳アナはまだいなくて、数名のアナが交代でやっていた。

もちろん録画していたので、ビデオテープの数も…途中からDVDに代わるけど、数え切れない程に膨れあがった。

そんなボクシングマニアの俺も亀田一家の登場で、一気にボクシング熱が冷めた。

亀田家はTBSが作り出したチャンピオンを目指すやんちゃな親子一家のサクセスストーリーから始まりったが、やがて試合の実況で亀田家に不利な事を解説する竹原慎二&畑山隆則両氏から褒めることしか言わない鬼塚氏とかに変えたり、協栄ジムから亀田ジムへ独立時の軋轢など、生々しいダーティーな噂が次々と出てきた。

また、長くボクシングを見続けてきた俺の目に、亀田兄弟のボクシングは世界チャンピオンのレベルには見えなかった。

チャンピオンの防衛戦の相手を選ぶときに「戦って不利な選手は回避する」のは、同じく大阪の井岡一翔選手が難攻不落の絶対王者ロマゴンとの対戦を逃げ回っていたりするので、対戦相手を選ぶ戦略がボクシングファンにリスペクトされるか?はさておき、ボクシング界に普通に存在している。

ただ、亀田家がライセンス剥奪で日本で試合が出来なくなるまでの数々の前代未聞なスキャンダルを見て、俺はボクシング熱が冷めて、国内選手の世界戦の中継を見逃す事も増えてきた…。
 

そして最近、極力日本人と戦うことを避けてきた亀田家が、スーパーフライ級チャンピオンである河野公平と戦うという話が持ち上がった。

亀田興毅のボクシングスタイルは撃ち合わずに、ペチンと当てては全力で退がる卑劣な逃げ腰ボクシング…それを河野チャンピオンがどう粉砕するか?

渾身の正義の鉄槌は炸裂するのか?


試合はアメリカ・シカゴにある大学の体育館で行われたが、空席が目立った。

結論からいえば、判定で河野が勝ったが、TBSがバックに付いていた全盛期の亀田家であれば、亀田興毅圧勝・解説の鬼塚氏絶賛の試合だっただろう。
 
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河野のパンチも亀田とドッコイドッコイだった…亀田より勝っていたのは手数だけで、これからも防衛を重ねていくのは難しいと思う。

特筆すべきは、亀田家の試合なのに、今回の試合のレフリーはフェアーな人で普通に捌いていたので驚いた。

TBS時代に亀田の試合に出てきたレフリーは、一体何処から連れてきているのか?と思うほど酷い奴ばかりだった。

ローブローを打たれた相手選手が苦痛でもんどり打っていようが、それまで対戦相手の顔に傷1つ付けられなかった非力パンチなのが、不自然にその試合だけ相手の顔をズタズタにした試合の後にグローブを取ってバンデージを見せない不自然な振る舞いにも、見て見ぬふりをするなどの異常事態が何年も延々と続いていたが、TBSが離れた途端にそういうカラクリ魔法は何故か起きなくなってしまった様だ…。

そして今回の試合でも、亀田家お得意の反則のオンパレードだったが、レフリーは見逃さすに的確に減点を命じていた。

ただ評価したいのは、河野選手のパンチが怖くなかったんだろうけど、今回の亀田は卑劣に逃げ回らずに正面から撃ち合った事で、最初からこういう戦法で戦っていればここまで酷評される事は無かったと思った…ただ、そのかわりに世界チャンピオンになる事も無かったと思う。

つまり、亀田興毅の全試合の中で、最高の出来で、最高の内容の試合だったと思った。

試合前には4階級制覇した後のビジョンを嬉々と語っていたが、敗戦後には試合前からコレが最後の試合と決めていたと、最後までカッコワルイままリングを去る事になった。

思うのは、亀田興毅はバンタムからスーパーフライに降りてきた…恐らくパンチが関係していると思う。
ジョー小泉さんによれば、パンチの強さは体重に比例する…つまり上のクラスに上がれば自分のパンチ力は上がるが、戦う相手のパンチ力も上がる。

何階級も制覇する条件は「打たれない事」と「打たれ強さ」が絶対条件で、亀田興毅はパンチ力も打たれ強さも無かった。

ただ、ロイ・ジョーンズJRでさえ、一度ヘビー級にビルドアップした身体をライトヘビーに戻して失敗したし、デラホーヤもミドルまで上げてホプキンスに敗れてからスーパーウェルターに下げてシオシオになった。

ウエルターとスーパーウェルターを行き来出来して体重を苦にしないのはメイウエザーだけだと思う…恐らくメイウエザーは減量で得られるメリットより、自分のベストの体重で戦うことを重視していて、それを実行する為の条件である「打たれない事」を持っているからだと思う。
 

ま、これで1つのテレビに作り上げられたヤンチャなボクシング一家の茶番劇は終わった。

このストーリーの登場により、多くの、俺も含めた「ボクシングは神聖なガチンコでなければいけない」と信じるファンが去り、三階級制覇チャンピオンが話題になる事も無く去っていく…。

ストーリーの勝者は…儲けたテレビ局の一人勝ちなのだ。