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山中慎介 VS アンセルモ・モレノ [ボクシング]

WBC世界バンタム級タイトルマッチ[パンチ]



挑戦者のモレノはWBA世界バンタム級で6年間もチャンピオンに君臨し、12度防衛したスーパーチャンピオンで、当時WBAチャンピオンだった亀田興毅が対戦をWBAから指令を何度も受けていながら、姑息に逃げ回っていた強豪。

一方WBCのチャンピオンの山中は、「神の左」というハードパンチを当てる事を前提としたボクシングで、急所に当てきれれば倒せるが、それが当らなければ見所は寂しい。

バーナード・ホプキンスみたいな感じで、決めのパンチを当てるまでの作りが無く、12ラウンドの中の何処かで当るだろうという芸のない試合運び…この辺りが同じハードパンチャーで国内最強の内山との差だと思う。


サウスポー同士の戦いなので右の刺し合いになったが、モレノはコツコツとうるさいジャブを的確に当てていたのが印象的で、山中は「幽霊」というニックネームを持つ防御の上手いモレノに苦しんだ。

中盤からはモレノのペースが上がり、山中の左を外しながら右フックなどを効果的に当てていた…これは、今後の挑戦者達の山中攻略のヒントになると思う。

そして9R、モレノの右フックが炸裂!山中は棒立ちのピンチに。
 
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しかし10R山中の左ストレートが炸裂、試合の流れは一気に逆転したものの、一級品のモレノは2度と同じパンチは喰わなかった。


試合結果は僅差の判定となり、2-1のスプリット・デシジョンで山中が9度目の防衛に成功したが、清銀の採点では僅差でモレノの勝ちだった。

ま、山中の勝ちは無かったと思う、ホームタウンデシジョンで「引き分け」が妥当なジャッジかなと思った。

山中も試合後に不完全燃焼で控え室で悔しがったらしいが、自分もダルチニアンに同じ事をした…12Rなんて打ち合わず姑息に逃げ回っていただけだった。


では、山中はモレノをどう攻略すれば良かったのか?って事になるが、対策は無いと思う。

これは山中が悪いのでは無く、かわし切ったモレノを褒めるべきで、モレノの目切りがコンマ数秒早ければ、山中は仕留めていたと思う。

モレノは10Rの一発の被弾が勿体なかったのだ。