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春はワクワク [ノスタルジア]

春の想い出[晴れ]

日中日が差すと暑いと感じる。

こういう時期は、早朝出勤するときにどんな格好が良いか迷う。
暑いと調子に乗って薄着をすると風邪をひくという観念があって、少々暑い格好になっても風邪をひくよりはマシという事で出掛けている。

人間が暑いと感じるんだから、草木も同じで千代田区のコンクリートの割れ目にタンポポの花が咲いていた。

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P3170013 posted by (C)taityo

春が近づいているのでは無く、今が春なんだろうね。
花粉と砂嵐さえ無ければ、一年中こんな気候だと良いんだけどね。
そこに行けるかどうか?は別にして、天国って場所は、そういう年中穏やかな春って所なんだと思うな。

春…俺なんかは一年で最もアクティヴになれる時期だ。
何故春になるとウキウキするんだろうか?と考えると…それは恐らく俺の幼少の記憶がそうさせるんだと思う。

…子供の頃、今はどうなっているのか知らないが、俺が通っていた奈良県の小学校の通学路は田んぼのあぜ道みたいな道だった。
学校には何通りかのルートがあって、年に何度かは集団登校とかで並んで通ったけど、その他は自由に好きな道を歩いていた。

俺は舗装された道より、未舗装のあぜ道が好きだった。
道幅は1メートル程で、お百姓さんの手入れが行き届いていて目立った雑草は無かった。

奈良盆地は関東平野と違って土が保水に適しているので畑より水田が多かった。
水田に水を供給する為の溜め池も多く、稲の収穫が終わってから今頃までは土手を乾燥させるために水を抜いていて、春になると溜め池の水位が上がり出す。
秋に巨大なヘラブナや1メートル近いライギョが溜め池の岸に打ち上げられ…冬は何もない死の世界だったのが、春になると一気に動き出す。

稲刈りが終わった水田は、春が来ると一面にレンゲが咲いて数キロ四方がピンクに染まった。
レンゲを一本引き抜いて、花びらを指先で摘んで引き抜いて捨て、花びらが無くなったのを口の中に入れると甘い…これをミツバチが集めて蜂蜜になる。
大好きなカエルも冬眠していた土の中から出てくるし、それを食べる蛇も出てくる。
通学路にも時々シマヘビが出てきて、掴まえてシッポを掴んで振り回したけど、毒蛇も居たので俺はシマヘビだと思いこんでいたが、今となっては何蛇だったのか?は判らない。

用水路にはメダカ、タニシ、マブナ、モロコが泳いでいた…時々場所によっては野鯉や、大雨の翌日にはキンギョが泳いでいた…大和郡山は金魚が名産で、金魚の養殖池が大雨で溢れると沢山の金魚が川に流れた。

草花が咲き、昆虫も出てくる…こうなってくると俺と、同級生のキムヤンはジッとしていられなかった。

冬は…何もなかった…冬の出来事で覚えているのは…「ビニールハウス事件」位だ。

奈良盆地ではイチゴの栽培が盛んで、夜になるとビニールハウスの中の電球の明かりが沢山灯っていた。
俺とキムヤンと、数人の仲間達はイチゴを盗もうとビニールハウスの中に入って、イチゴの花の花粉を受粉させる為に入れているハチの大群に襲われた。
キムヤンが先頭でビニールハウスの中に突入し、俺は最後に入ったんだけど、まさかビニールハウスの中にハチがいるとは思わなかった…キムヤンは凄い勢いでビニールハウスの中央まで進んだから、ハチの攻撃をまともに喰らっていた、他の数人もハチに追われて戻ってきた…俺はキムヤンの悲鳴を聞いてサッと外に逃げたので刺されなかった。

ビニールハウスから飛び出したキムヤンは何カ所もハチに刺され、悲鳴を上げていた。
ハチに刺されるとアンモニアという事は知っていたので、見渡す限り2km四方一軒の民家も無い場所なのでおしっこをかけることにした。
可哀想なキムヤンは転げ回って泥だらけな上から全身小便でびしょ濡れになって、火がついたように泣き叫んでいた。

しかし春が来れば、つまらないビニールハウスなんてのに潜り込まなくても、大自然全てが玩具だった。

溜め池は魚の宝庫で、よく魚釣りをした。
ラジコンのエンジン模型で、ボートも走らせたけど、夏になるとヒシという浮き草が多量に発生してスクリューに巻き付くと岸に戻らなくなるので出来ない。
溜め池でのラジコンのボートは冬にやり、春〜秋は魚釣りをやった。

そんな懐かしい溜め池に、20年程前の初夏に、当時MLのマネージャーをやっていた八木君と釣り竿を持って行った事がある。

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狙いはライギョで、仕掛けはルアーのカエルを持って行った。
岸辺には大勢の釣り人が来ていた。
ライギョは釣れずボウズに終わったけど、雰囲気は味わえた。

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子供の頃は大自然から四季を感じていたんだなと思う。

春が来ると無意識の内に奈良の大自然を思い出しているのか…意味もなくワクワクするのだ。