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87年Stars企画 [バンド関係]

今から20年以上前の出来事[るんるん]


「STARS」とは俺が東京に移住した年の1986年、「We are The Word」を切っ掛けに当時流行っていたチャリティー企画のメタル版で、ロニー・ジェイムス・ディオの呼びかけで結成されたメンバー達の作品。

…何処でそんな話になったか…もうスッカリ忘れてしまったが、1987年に何処かの居酒屋でバンド仲間達と呑んでいて「俺達もスターズで遊ぼう!」という事になったんだと思う。

企画は皆があれこれ言い出すと滅茶苦茶になるので、曲はオリジナルで無くて芸がないが「スターズ」。
可能な限り仲間を集めて、スタジオにMTRを持ち込んで録音しようと言う話になった。

この手の話は、酒が体内から消えると共に話も消えるのがよくあるパターンだけど、企画者が俺だから自然消滅はあり得ない。

実際録音するまでの準備に少し時間が掛かったが、その分仲間達それぞれがライブの対バンなどに声を掛けてくれて、最終的には凄い人数になった…80年代末の目黒界隈の中堅〜大物が揃った。

準備期間に話は盛り上がり、録音だけではなくプロモ・ビデオも作ろうと、録音当日にはカメラも回していたが…残念ながら、今となっては誰のビデオカメラだったのかも覚えていない。

今回「カセットテープのデジタル化企画」で、その時録音した「スターズ」のトラックダウンしたテープが出てきた。

参加メンバーは最終的には東京は言うに及ばず、横浜や埼玉からも参加希望があったので、中間地点と思える新宿のスタジオと決めた。
マイクで録音するのは「ボーカル」と「ギター」のみ。
録音に使用したMTRは「MLモービルユニット」と呼ばれた8トラックのオープンリールなので、トラックの関係上ドラム、ベース、バッキングギターの「オケ」は、事前に用意する事にした。

俺は当時打ち込み系は何も持っていなかったので、誰かがドラムマシンを打ち込んでくれた。
当時のMLはトリオ編成時だったので、俺はKyoからミュージックマンのベースを借りてベースを録音し、バッキングギターも当時住んでいたボロアパートの部屋で、爆音でマイク録音して用意した。

参加者は当時忙しいバンドばかりだったので、参加者全員の予定を合わせるのに、今みたいに携帯やメールなんて無いから苦労したが、ライブの日に対バンから「スターズやるんだって?」と声を掛けられた程この企画は噂になっていた。

録音当日は凄かった。
皆入れ込んでいて、スタジオに自前アンプを持ち込んでスタジオ内は当時の最先端の機材がズラリと並び、楽器フェアーの様になった。
ピアスなんて珍しいアンプや、珍しいレスポールやVなどもズラリと並び、「これ何?」とか情報を交換していた。

運び入れるローディーや、ボーカルの人も含ると一番広いスタジオでも人が入りきれなかった。

俺はこの日持病の偏頭痛が出てしまい、脂汗の中ヒイヒイ言いながら録音作業を進めた。

ギターは、各自事前に決まった小節を順番に録音して行き、後で編集するという事にした。
トラックダウンに使用するエフェクターに限りがあるので、エフェクトは各自「掛け録り」とし、別ブースが無いので同じスタジオ内にアンプと弾き手が入り、ヘッドフォンでの録音となった。

皆ギンギンに入れ込んでいた。
俺も頭痛の中ドロドロになりながらも入れ込んで弾いたけど、セッションの一発録音だからやり直しが効かないし、体調が最悪なので「こんなんで良いや」と、不本意ながら諦め、企画を成功させるため裏方に徹した。

ボーカル陣はギター録音の間スタジオの外に集まって、歌詞カードを見ながらそれぞれのパートを割り振っていた。

ギター収録を終えると、皆でアンプや機材を撤収し、歌録音となった。
ボーカル録音は、カメラや大勢のギャラリーに取り囲まれる形で始まった。

昼間の録音だったので、歌うには皆厳しい条件だったが、細かく交代して「一発入魂」という雰囲気だった。
当時のMLはトリオ編成で、俺はギターとボーカルを兼任していたので、ボーカルでも参加したが、やはり昼間に声は出なく、歌うと頭痛が益々酷くなった。

最後に、ローディーやギャラリーも含めた参加者全員でコーラスを録音した。

俺はスターズの最後はロブのシャウトだと思ったのでコーラスの最後の部分にロブ声で参加した。

この後打ち上げもあったらしいが、俺は体調最悪の為に機材と共に帰宅した。

頻繁に合う仲間にはトラックダウンしたテープを手渡すことが出来たが、結局参加者全員に配ることは出来なかった…あれから20年以上の年月が流れ、その後数え切れない引っ越しを経た今、そのテープが発掘された。

「スターズ企画」のデータは今回発掘したのしか残っていないと思うので、俺的には珍しいが、トラックダウンは当時の俺の機材を考えてもかなり荒い。
歌もノーエフェクトで「そのまんま」だし、バランスも悪く「テキトー」に纏めている。

当時、俺が殊更このテープに熱心にならなかったのは、俺の体調が最悪で出来が悪かったからだと思う。
しかし、年月を経た今は、そういうのは気にならない。
それよりも皆が「入れ込んでいる」演奏は凄く楽しそうだ。

今はバンド同士の繋がりが希薄なので、こんなオールスター的な共同企画で一カ所に同時に集まるのはあり得ないのかも知れない。

ま、今聴いてみて懐かしいなと思える点では、やって良かったなと思える企画だったと思うのだ。

1987年:新宿Kyeスタジオ 録音機材:FOSTEX 8chオープンリールMTR