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大型連休の想い出 [バンド関係]

GW突入で想い出すのはバンドでのライブだ[バス]

例年この時期は都内の道路はガラガラになる。
まだバンドがブームだった頃、ライブハウスでバンド演奏を楽しむのが若者のアミューズメントだった昔は、GWとなれば全国のライブハウスにツアーで出かけていた。

大阪でバンドをやっていた頃など東京もライブハウスの数が今より少なくて、大阪から東京まで遠征して来るバンドも少なかったので、それなりにやり甲斐もあった。
今はバンドが何処から来ているかなんて関係ないし、ライブハウスの数も増えてバンドが散らばっていて雑然としている。
昔大御所のバンドに居たプロミュージシャン達ですら、今では大半がアコースティック・ソロライブとか称してアコギ一本抱えて電車で全国のライブハウスを廻っている。

理由は経費が掛からないのと、ギャラの問題だろう。
全国的にアコースティックの弾き語りだらけだ。
原因は音楽というか「演奏で喰う」という無理から来ている。
結果喰う為に自分の音楽を貧相にするというジレンマに陥っている様に思う。
元々フォークソングの人なら問題ないのかも知れないが、ロックバンドやっていた人がアコギの弾き語りっていかがなものか…。
一曲だけアコースティックなら問題は無いけど、1ライブ全部アコギの弾き語りは俺には退屈すぎて体が受け付けない。

学生の頃、友人のライブを見に行くために大きなホールに出かけた。
それはアマチュアフォークの集まりみたいなイベントだった。
友人には申し訳なかったが、俺は途中から体調が悪くなり不本意だったけど友人が登場する前に帰った事がある。

でもね、ロックミュージシャンがフォークギター弾き語るってダメだね。
確かに機材は年々高性能でコンパクトになっている。
もう、俺の機材もエフェクトラックが俺の身長より高く積み上げるなんて時代は終わった。
今はそんなに苦労しなくても「積み上げていた」時より数段良い音が得られるし、アンプも店の備品で十二分に間に合うから、ステージ上の俺の機材も物量的には無いに等しいほど減った。
でも、それは「手抜き」や「コスト削減」では無い…ML初期の摩天楼アンプ群時の数倍は思い通りの音が出ている訳だから。

確かに、俺は昔人間だからアンプ回りが寂しいと、音までしょっぱくなっていると錯覚してしまいがちだが、最近は他人のライブを見ても余りどんな機材を使っているのか?に目が行かない。
思うに、これは結果論だけど、思い返せばステージの大小の差はあるが、100ワットのアンプって音量過多だったんじゃ無いかな。
幾ら音の大きいドラムとでも、100ワット全開なんてバランスが悪過ぎる。
初期ML当時までは、バランスが悪くても演奏できるスタイルだったから可能だったけど、今は自分の機材の450ワットのパワーアンプだと殆どボリュームを上げないでやっていた。

何かで読んだんだけど、スピーカーはある程度コーン紙を震えさせなければ本来の特性が出ないそうで、そういう意味では俺は長期に渡ってわざわざ意味の無いことを苦労して行っていた事になる…もちろん当時はそれで出ている音を気に入っていたから後悔は無い。
最近は全国何処にでもある60ワット・ステレオのJC-120を使うが、それでも「全開」では無い。
広いステージで対応できるのか?だけど、それは錯覚。
ステージが広ければ広いほど、アンプの音量は下げられる…つまりボリュームの付いていないドラムが真横でガンガン鳴るから手元のアンプを上げなければ聞こえないわけで、空間が広ければドラムと距離がとれるからモニターや自分のアンプの音も良く聞こえる、天井が低くて音が回る事も無い。
要するに広ければ広いほどやりやすいが、音の混濁に慣れていると混濁で埋もれていた些細なミスタッチがハッキリ聞こえるから、まるでレコーディングしている様に「冷めて」しまって気分がライブにならない場合がある。

さて、これからのライブ機材はどうなっていくのか?
これはそろそろベース機材の世界では変わりつつある様だ。

初期ML時代には、まだベースアンプもアンティークなヴィンテージを使い、わざわざスピーカーにマイクを立てていた。
しかし、今時はアンプが何だろうが、それらはステージ上で演奏するためのモニターでしかなく、音はラインでPAに行っている。
そこで登場したのが、フットモニタータイプのベースアンプで、足下から聞こえる小さな形のアンプが登場した。
俺も最初に見たときは、頭が良いな!と感心した。
ギターアンプでもこういうのが出来れば欲しいなと思った。

…と、まぁ年々高性能で頭の良いアンプが出てくるが、毎年GWになると、クソ重いドラムセットやアンプ群を満載に積み込んだ機材車から毎日毎日積み降ろしたのを想い出す。
初日は元気なんだが、2日目には打ち上げの二日酔いと筋肉痛でフラフラになる…3日目が最も辛い。
しかし4日目からは急激に体が楽になり、5日目辺りから「何をどういう順番で何処に積むか?」の打ち合わせもしなくなり、全員が無言であっと言う間に積み込んでしまう…覚えているのは機材が最も多かった、小さなメイク道具箱の積む位置を間違えただけで全ての機材が入らないというパツンパツンの時期に15分という記録がある。

地元のバンドが俺達のテキパキ度数にオドロキの声を上げ、バンドリーダーが「俺達もいつかは!」という感じでメンバーに「お前等!良く見とけよ!」と檄を飛ばす…。

延々と続く高速道路の大渋滞。
地方の思わぬ場所で出くわすツアーバンド。
見飽きた高速道路のパーキングのレストランのメニュー。
格安のビジネスホテルの狭いユニットバスと、シャンプーで落ちないスプレー。
乾かない汗でベトベトの衣装。

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初期MLのチラシ


最大の課題は現地に到着してから、店が開くまでの待ち時間で、当時は機材車にテレビを積んでいたし、ホテルにはファミコンを持ち込んでいた…今なら携帯DVDデッキかな。

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安宿で疲れ切っている俺(DEARER)

始めて行く場所は、夜中にコンビニで地図を買ったりして、車に戻って確認すると目的地は車の目の前だったり…大阪時代など九州方面からやっと大阪に戻って来たのに素通りで、そのまま東京方面に行ったり…アンプが途中で壊れたり、部品を無くしたり、身体の具合が悪くなったり…毎年そんなGWだった。

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連日の居酒屋での打ち上げで毎日が二日酔い状態だった(東京/渋谷の居酒屋にて DEARER)


東京でMLを結成してからも、GWには都内に誰も居なくなるから良くツアーに出ていた。

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今では信じられないが、当時はこれが普通のブッキングだった(MargeLitch)


今となっては、古き良き時代の想い出なのだ。



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