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セッションに行ってきた [バンド関係]

ネットの応募でベースで参加した[わーい(嬉しい顔)]今回は歌モノ中心の、基本ハードロック系をやる方々とご一緒した。
もちろん、相手は初顔合わせで、俺の名前はもとより、何処の誰かも知らない連中だから、とても気楽に参加できた。
持って行ったのはスタイン・モドキ君で、場所は池袋ノア・スタジオ。
スタジオのアンプはアンペグのベースアンプで、直結で鳴らすと若干輪郭のハッキリしないボケた音が出た。
とりあえず全員の力量を計るための様子見で、自分の音は地味にボケさせてやってみた。

いつもMLの爆音でやっているのに慣れているので、音が凄まじく小さい…これならスタジオ借りないで部屋で出来るって思ったが、自分の音だけは譲らずに、特段大きな音を出すわけでもなく「普通の音量」で弾いた…でも間違いなくMLで、この音量だと全員から「聞こえない!」とクレームが飛んでくる小さな音量だったと付け加えておく。
つまり「無茶」なバランスでエゴを通したのでは無い。

ドラムの音量も、うちのコー爺さんの1/100位で、リズムは何処が頭か…何かサッパリ判らないし、ギターは全く聞こえない。
もう、この時点で「バンドっぽく纏めよう」なんて考えは放棄して、せっかく時間とお金を使ったんだから、ベースのあれこれを試す方向に思考を切り替えた。

皆さんとても良い人達で、和気藹々モードで進行し、俺は素朴な1人のベーシストという役を楽しんだ。
合わせる曲が少なかったので、何度も同じ曲を繰り返したのが、ベースのサウンド作りの研究にとても役だった。
おかげで、リハスタジオに最近多く見かけるアンペグでのベースの音作りは「完璧に掴めた」。
2時間のセッションの最後の方では、「よしてるベースサウンド」がほぼ完璧な形で出せた!

ギターの弟子のヒロミチ君と、今年の初めにスタジオに入ったときは、借り物のベースで挑んだんだけど「凄くヘヴィーっす!」と誉めて貰ったけど、今日は自画自賛でそれ以上の鳴りだったと思う。
具体的にはローは若干出過ぎの重低音圧ドバドバで、ミドルより上はガリッガリンの劇硬の音を同時に出す。
今回のセッション仲間さん達も「そのベース、小さいのに凄い音が出ますね」って言われて、これはもう、素直に嬉しかった。
俺は、ベースはH.M.N#2から録音で弾いていて、MLでも初版「ファンタージェン」は全曲、最近では「オシリス」や「殯の丘」の再録版でも弾いているけど、実際アンプを使って音を出す方向では経験値から言って「ド素人」だ。

実際こうしてベースでバンドに参加すると、例えばMLのベースが如何に大変かよく判る。
それはギターだけを弾いていては絶対に判らない。
大抵のギタリストは「ベースなんてギターの下4弦だろ」程度の考えなんだろうけど、実際ベースを「鳴らす」となれば、ギターと同じくらい奥が深い。
ベースはギターとは全然違う「ベースの弾き方」をマスターしなければ、まともに鳴らないし、単にギターの感覚で弾いても「ベースに聞こえない」…つまり「ギターが弾くベース」になってしまう。
理由は多々あるが、ベースの様式というのがあり、それを知らないことにはベースにならない。
だから、作曲者である俺がベースも大好きというのは、曲を作ってシーケンサーなどに打ち込むときにとても役立つと思っている。

今回のセッションの収穫は、俺の自分のベースへの自信が持てた事に尽きる。
今年新宿でやったDio/SABBATHセッションで、俺なりに手を加えた改造ジャズベを持って行き、凄まじい敗北感で終わった苦い記憶が未だに焼き付いていて、俺はレコーディング専門ベースか?と、少し自信を無くしていたので、今回はやって良かった!
何よりも、スタインモドキ号で思った音が作れたのが最高だ。

今回はギターの人の音が異様に小さかった。
皆から「もう少し音を大きくして」と言われ、焦っていた。
音量を上げるとハウリが凄くて、音もボワボワだ。
使っているのは今流行のボードタイプのマルチエフェクトなんだけど、歪ませすぎだし、アンプとの相性も悪い。
「参ったなぁ〜」と、途方に暮れているギターさんの音をマトモにするには、後どれくらいの手直しが必要か、俺には手に取るように判ったが、それを補正するには時間が無さ過ぎる。

…そうだよな、それが一番難しいんだよな…。
最初っからそれが出来りゃ〜ネットの募集なんかに来ねぇよな…判るよ…俺も全然期待してないから、気なんて遣わないで精々好きに楽しくやんなよ!セッションなんだから…って思ったけど、凄く辛そうで見ていて可哀想だった。
俺がガリン!とゴキゲンな音を出しているから余計に目立つ…俺もグダグダでポワーンとした音だったら、それなりにバランスが取れたんだろうけど、今日の俺はどういう訳かメチャ調子が良かったから…並大抵のギターじゃ重低音の風圧でかき消されるもん。
見れば、精神的萎縮からピッキングまでオッカナビックリのユルユルになってしまい、音が立たない…つまり弦が鳴っていないから、アンプから音が前に出ないで籠もっている…これってアンプのボリュームの大きさという問題では無い…単にボリュームだけではベースとギターは大して差は無いんだけど、聞こえるのは鳴りまくっているベースという事になってしまう。
最初の頃は元気にギターを弾いていたが、次第に陰に陰に向かって音がボケだし…それに反比例して俺のベースが元気になったので、ギターの人には最悪の展開だった。

でも、時間のないところで下手なアドバイスは相手を混乱させるだけだと、俺は一般のベースさんがそうするのと同じで、黙って自分のベースの音作りを楽しんでいた。
結構シンプルな作りのアンプだったので、片っ端から極端なイコライジングを試し、好みの方向に持って行った。
残り時間が少なくなった頃、ギターさんは意を決した様に思い切ってボリュームを上げた。
実際に弾いている音よりハウリの方が多い状態で、ヤケクソの雑音大会みたいになった。
俺が「エフェクトにゲインを送り込み過ぎているのが原因だと思う」とボツリと言うと、すがるように具体的にどうすれば良いかを聞いてきた。
本当は、俺の知る限りの事を細かく教えてやりたいが、とりあえず応急手当の裏技を教えると、ハウリがピタリと治まった。

…彼らとはスタジオの出口で別れた。
何か…よく判らないけど、他の皆はセッションを引き続きそのままバンドとして持って行こうって雰囲気だったけど、俺は某所に用事があり人を待たせているので丁寧に挨拶をして池袋を後にした。

電車の中で、ヘッドフォンで曲を聴いていた…それは、今月半ばに行う違うメンバーと地元所沢で行うセッションの曲なのだ。