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刑事コロンボ [ドラマ・映画・アニメ・漫画]

俺が大好きなアメリかのテレビドラマ「刑事コロンボ」をマニアックな角度からみてみる[カチンコ]コロンボシリーズは「刑事コロンボ」と、約10年後に「新刑事コロンボ」が制作されている。

新シリーズとの違いは主演のピーターフォークが制作に加わる事で、それまでのコロンボ刑事のキャラが辛辣な切れ者刑事を全面に出し、事件の内容によっては追いつめるコロンボより犯人の見方の気分になり、コロンボが悪役っぽくなるのだが、新シリーズではおなじみのスター刑事という「良い役」に変わっている事だろう。

で、俺は「刑事コロンボ」が好きで、繰り返しよく見ている。
番組のストーリー紹介などはネットなどで多くの皆さんが取り上げているので、清銀としては、少し角度を変えた着眼点で取り上げる。

まず、10年間掛けて放送されたので、ピーター・フォークさんの変わり様から。

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シリーズ前に単発で放送された最初のコロンボ刑事
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10年後の最終回のコロンボ刑事

刑事コロンボの「本質」は、シリーズ制作前に単発で放送された「殺人処方箋」に全てが詰まっている。
この1話に、コロンボの全てが集約されている。
犯人の精神科医がしつこくつきまとうコロンボを、精神分析する。
「かみさんが看て貰うべきだと言いましてね…」と、コロンボが追いつめた犯人に精神分析を依頼する。


コロンボ「あたしの問題はですね、疑り深いって事です。人を信じない、これが問題なんですね。例えば捜査の担当から外されれば、すぐ誰かの圧力じゃないかと勘ぐるんです…裏に何かあるなってね。どうすりゃ良いんですかね?」

犯人「職務をよく考えるんだ。キミは公務員だろ、公務員とは我々市民の公僕のはずだ。今後僕につきまとったら本当に上司に話すよ」

コロンボ「このところ、あっちこっちに話してらっしゃるようですが…」

犯人「君は実に見事な男と言えるな」

コロンボ「あれ?どうしてですか?先生」

犯人「君のようにしつこい人は初めてだよ。だが愛嬌がある、驚くべきはその愛嬌だな。道化だと言われた事は?」

コロンボ「え?あたしが?」

犯人「そう。君だ」

コロンボ「そりゃ無いですよ、いくらなんでも」

犯人「まさしくそうさ。君は油断も隙もないずる賢い妖精の様なものだ。担当を外されたという口の下から、まだ信じられない程のあつかましさで押しかけて来るんだから。見上げたもんだ。かんに障る事ではあるが敬意を払う」

犯人が酒を勧め、コロンボは「本はお好きで?」と言いながら一冊の本を手に取る。
ミステリー小説を持ち出したコロンボは「あたしやー、あれが好きでねぇ、気晴らしにはもってこいです。ただ、ミステリーって奴は現実とは大違いでね。つまり犯人は必ず捕まるでしょ。でも現実の事件じゃ、そううまく行かないもんでね」

犯人「…また始まったな」

コロンボ「何が?」

犯人「ほのめかしだよ、実に計算されている。その小道具の葉巻に至るまでな」

コロンボ「いやー、別にそんな」

犯人「ひとつ君の分析をしてあげよう。精神医にかかりたいと言ったろ?その必要の有無は別として、君のは典型的な代償作用の実例と言える」

コロンボ「なんですって?」

犯人「欠点をカバーする代償作用さ。君は優れた知能を持つが、それを隠している。道化の様なふりをしている。何故か?…その外見のせいだ。外見のせいで押しも効かないし、尊敬もされない。…が君は、その弱点を逆に武器とする。君は不意打ちをかける。見くびっていた連中は、そこで見事に躓く。今夜の訪問もそうだ」

コロンボ「…いやぁ…こうやられては手も足も出ません。先生の前ではよっぽど気を付けないと、流石に…よく解っていらっしゃる」

驚く事に、コロンボは仮面を剥がされても悪びれる様子も無く、犯人の精神科医の診断を認めている。
この話しの結末は、シッポを出さない犯人を攻め落とすのでは無く、共犯の浮気相手の女にターゲットを変更し、強引に脅しを掛けている。
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その後のシリーズでは考えられない、コロンボの強引な捜査

結果、共犯の女が捜査の追っ手からのプレッシャーで自宅のプールで自殺したと見せかけ、女が死んだと信じ、安心した犯人に女の悪口を言わせる様にしむけ、その会話のやりとりを女に聞かせて自白させる。
コロンボ得意の「引っかけ」で、コロンボの捜査のテクニックは以後この応用編と言って良い。

シリーズ全体のツッコミどころでは、コロンボ刑事の設定かな。
極度の高所恐怖症で、飛行機が嫌いで、飛行機から降りると暫くフラフラになる程なのに、シリーズ初期ではセスナ機を操縦していたりする。
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犯人の精神科医が指摘したコロンボが使う「小道具」を調べてみる。

まず冴えない風体で、シリーズ中盤が最も汚らしくでだらしない格好を強調しているが、最初の頃は清潔感がある。
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レインコートは最初から使っているが、その後は常時着ているのに対し、最初の頃は手に持って歩くなど、余り着ていない。
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特筆すべきは、この「ヨレヨレのコート」が一度だけ、黒の新品になった事がある。
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かみさんのプレゼントらしいが、サイズが小さく肩が凝るので、番組前半で着るのを止めている。

次に葉巻。
これはシリーズ第1話では、それ以後に使う「スーパーで買う安葉巻」では無く、かなり高級なのを銜えている。

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吸いかけの短いのでは無く、さらのロングタイプを吸っている

ボロボロの車も第2話から登場している。

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ボロ車初登場の場面だが印象に残るシーンはなく、少ししか写らないが、次作ではパトロールの白バイに整備不良で止められるところから始まる

フランス製の1959年式のプジョー403コンバーチブルという車で、これは回を重ねるごとにボロボロになっていく。

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屋根の幌が破ける
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パトロールカーに追突され、この時の衝撃でコロンボ刑事はむちうちになる
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最終話のプジョー403
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ヘッドライトも片方無くなっている


犬も良く登場するが、この犬はピーター・フォークさんの飼い犬で、とてもコロンボ刑事になついている。

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大人しい犬で、常に元気なくダレており、良い味を出している。
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犯人役は毎回豪華ゲストを起用していて、スタートレックの2人も犯人として出ていた。

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髪型も耳も普通のスポック
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カーク艦長も刑事を演じる役者役で登場

犯人役の役者さんも、何度も出てくる人がいる。

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ジャック・キャシディさんは3度出ていて、コロンボの犯人といえばこの人って感じだ
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ロバート・カルプさんも3度犯人役ででている…生意気でコロンボを舐めてかかり、凄まじいカウンターを喰うシーンが多い

準レギュラー的な存在が、単独捜査が多いコロンボの部下役のこの人。

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ブルース・カービーさん演じるジョージ・クレイマー刑事だが、別の回にはコロンボのテレビを直す電気屋さんだったりする

コロンボの部下として印象があるのは、むしろこの人だろう。

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ボブ・ディシーさん演じるフレデリック・ウィルソン刑事で、シリーズ中に2度登場し、最初は殺人課に1年在籍した後に警察大学を出たての設定だった
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2度目に登場した時はコロンボ刑事に名前を覚えて貰っていた

脇役で目立ったのは2度登場するアン・フランシスさんだろう。

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因みに俺はアン・フランシスさんとグレッチェン・コルベルトさんの見分けが付かない…何処がちがうのか…同一人物に見える。

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…と、まあ、ドラマ「刑事コロンボ」を盛り上げる役者さんは多いんだけど、俺は最多出場のこの役者さんが大好き!

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ある時はコックさん
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ある時は酔っぱらいのオッサン
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ある時は葬儀屋さん
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ある時はレストランのウエイター
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ある時は服の仕立屋さん
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ある時は政治家
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シリーズ最後の出演が船大工のネッド役だった

この人が出てくるだけで、可笑しくて笑ってしまうのだ。